精密位置検出器

精密位置検出器 概要

精密位置検出器 三菱MPスケール

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仕組み

MP スケールは、電磁結合を利用して非接触で長さや角度の変位を高精度に検出する超高精度位置検出器です。
1970年に米国・インダクトシン社との技術提携により MP スケールとして、製造・販売を開始しました。

MP スケールの概要
MP スケールの概要

機械の移動量を MP スケールが検出して、A/D 変換器でデジタル信号に変換し、制御装置 (例:NC 装置) に位置フィードバック信号として返します。
MP スケールが検出した位置フィードバックをもとに NC 装置によって、フルクローズドループ制御することにより、機械を正確に位置決めできます。

(注)フルクローズド制御:NC 制御で機械を目標位置 (角度) に移動させる為に、機械の最終位置 (角度) をスケールで検出して NC に戻す制御方式

直線位置検出器 (リニアスケール)

可動部にリニア MP スケールのスライダを取り付けて、固定部にスケールを取り付けて位置を検出します。

線位置検出器 (リニアスケール)
線位置検出器 (リニアスケール)

回転角度検出器 (ロータリスケール)

回転部分にロータリ MP スケールのロータを取り付けて、固定部にステータを取り付けて回転角度を検出します。

回転角度検出器 (ロータリスケール)
回転角度検出器 (ロータリスケール)

応用例

ロータリテーブルによる 5 軸加工

ロータリ MP スケールを 5 軸機のロータリテーブルに取り付けることで高精度加工が可能になります。

ロータリテーブルによる 5 軸加工
ロータリテーブルによる 5 軸加工
3ロータリテーブルによる 5 軸加工 (軸)
3ロータリテーブルによる 5 軸加工 (軸)

大形高精度加工機

当社工作機械にリニア MP スケールが装着されています。

5 軸ヘッドと大型精密位置決めテーブル

5軸ヘッドのB軸とC軸にもロータリMPスケールが取り付けられて高精度な5軸加工を実現しています。

5軸ヘッド
5軸ヘッド

液晶や PDP 用製造装置の大形精密位置決めテーブルにも使用されています。

液晶・PDP 用大形精密位置決めテーブル
液晶・PDP 用大形精密位置決めテーブル

複合旋盤の直線軸と回転軸

  • 主軸の回転制御と C 軸の高精度位置決めにロータリ MP スケールを取り付け、また、工具の旋回の B 軸にもロータリ MP スケールを取り付けることで、高精度な曲線加工が可能になります。
  • スペースの少ない X 軸や Y 軸にリニア MP スケールを取り付けることが可能で、ボールスクリューの熱変位対策に有用です。
複合旋盤の直線軸と回転軸
複合旋盤の直線軸と回転軸

原理

  1. スライダ (ステータ) とスケール (ロータ) の両方に櫛形のコイルが配置されています。
  2. スライダのコイルに交流電流を流すと、スケールに電磁誘導作用で電圧が発生します。
  3. スライダとスケールの位置が変化すると発生する電圧が変化します。変化した電圧をとらえて、位置を検出します。
MPスケールの原理
MPスケールの原理

複電磁結合の位置による変化

  1. 位置 A では、スケールのパターンとスライダのパターンが一致するので、電磁結合は正方向に最大になります。
  2. スケールの 1/4 ピッチずれた位置 B では、スライダの格子がスケールの格子の中間にあり、スライダの両方向に流れる電流の影響を等しく受け電磁結合は零になります。
  3. スケールの 1/2 ピッチずれた位置 C では、位置 A と逆方向の関係になり、電磁結合は負方向に最大になります。
  4. スケールの 3/4 ピッチずれた位置 D では、位置 B と同じ関係になり、結合は同じく零になります。
  5. スケールの 1 ピッチずれた位置 E では、位置 A と同じ関係になり、電磁結合は移動位置によって誤差のない SIN 結合になります。
電磁結合の位置による変化
電磁結合の位置による変化

スライダのパターン

スライダには、1/4 ピッチずれた 2 つのパターンが用意されており、位置に対して SIN と COS の電磁結合を行います。
この 2 つのパターンを用いることにより、ギャップ等の変化の影響を受けない高精度な位置検出が可能となっています。

スライダの 2 つのパターン
スライダの 2 つのパターン

特長

リニア

リニアの特長を示します。

ロータリ

ロータリの特長を示します。

高精度

高精度
リニア
ロータリ

リニア MP スケールは MPS-25CSC の保証精度が 2 μm、ロータリ MP スケールは MPI-1272B の保証精度が 2 秒と高精度です。

(注)すべての精度は幅で表示しています。

MPI-1272B の実測値
MPI-1272B の実測値

高分解能・高速

高分解能
高速
リニア
ロータリ
リニア / ロータリ インターフェイス 分解能 速度
直線位置検出器 (リニア MP スケール) A相/B相出力 0.1 μm 80 m/min
シリアル I/F 0.01 μm 1,800 m/min
回転角度検出器 (ロータリ MP スケール) A相/B相出力 0.0001 度 222 min-1
シリアル I/F 223/回転(0.000043度) 10,000 min-1

(注)値は代表値です。

機械端検出

機械端検出
リニア
ロータリ

駆動系を最終検出するフルクローズ制御によってボールスクリューの伸びの影響を受けない位置決めが可能

ボールスクリューの伸びの影響を受けない直接検出
ボールスクリューの伸びの影響を受けない直接検出

ゴミ・油・結露に強い

エアーパージ不要
リニア
ロータリ

電磁誘導であるため、隙間への油汚れ・ほこり・結露の影響を受けずに位置検出ができます。
エアーパージも不要です。

7年間使用したスケールの実例
7年間使用したスケールの実例
鋳物の粉や油が多く付着しても問題なく稼働中

省スペース

省スペース
リニア
ロータリ
  • スケールの厚さは 14 ~ 20 mm と薄く、機械をコンパクトに出来ます。
  • ロータリスケールは中空構造で 5 軸ヘッドでは配線や配管を通過させることが出来ます。
旋盤サドル (左) 5 軸ヘッド ・ (右) 5 軸ヘッド A 軸の断面
旋盤サドル   (左) 5 軸ヘッド ・ (右) 5 軸ヘッド A 軸の断面

非接触摩擦部がなく長期安定した精度

長期安定精度
リニア
ロータリ

MP スケールは消耗品のベアリングやバネのない完全非接触構造なので、経年変化による精度劣化がありません。

MPスケール

絶対値検出

絶対値
リニア
ロータリ

インクリメンタルのスケールでも、モータに付属の絶対値エンコーダと組み合わせることで絶対値検出可能。ラフな位置はエンコーダで、精密な位置はMPスケールで検出するNCシステムを用意しています。
(オフセット絶対値方式)

絶対値エンコーダと組合せた絶対位置検出
絶対値エンコーダと組合せた絶対位置検出
絶対値エンコーダが取付かない DD モータの場合

スケール単独で絶対値検出が可能なMPRZとMPZAシリーズを使用します。

絶対値スケール MPRZ
絶対値スケール MPRZ

各社の NC 装置およびシーケンサに接続可能

CNC
リニア
ロータリ

三菱 CNC、FANUC、シーメンスの各社のNC装置および三菱電機製の汎用サーボ、安川Σ7とΣVに接続可能です。

(注)安川Σ7とΣVの接続は、DDモータの時のみです。

各社の NC 装置およびシーケンサに接続可能

高い繰返し精度

繰返し精度
リニア
ロータリ

機械の回転方向やワークの荷重で軸が変形して芯ズレが発生しても、芯ズレが読取誤差にならず、高い繰返し精度が得られます。

一般のスケールは検出ヘッドが 1 つで、芯ズレの量に比例して読取誤差が発生して、繰返し精度が悪くなります。
この芯ズレの対策として一般的に検出ヘッドを2つ対向させて取り付けて、読取誤差をキャンセルします。
MP スケールでは、円周全面に検出パターンを多数配置することで、芯ズレ誤差をさらにキャンセルして高い繰返し精度が得られます。

(左) 一般の 1 ヘッドのスケール ・ (中央) 一般的なスケールの芯ズレ対策 ・ (右) MP スケール
(左) 一般の 1 ヘッドのスケール ・ (中央) 一般的なスケールの芯ズレ対策 ・ (右) MP スケール

機械と同じ熱膨張率で、熱変位に強い。

熱変位に強い
リニア
ロータリ

17℃で加工しても、20℃では指定寸法通り。
スケールのベースが鉄なので、スケールは鉄と同じ伸び縮みをします。
例)800mmのピッチ加工を行うとき、17℃で加工すると800mmは、799.967mmに縮んで加工します。
加工後、20℃の測定室に戻すと、ピッチは800.000mmになります。

熱変位に強い